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牛込柳町駅より徒歩約3分・新宿区市ヶ谷
【市ヶ谷動物医療センター】

ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

猫の尿路閉塞

概要
猫の尿路閉塞は、何らかの原因で尿が排出されず膀胱内に溜まってしまい、進行すれば急性腎不全や心停止も起こりうる、緊急性の高い病態です。

原因
猫は犬と比較して飲水量が少ないことや、特にオス猫は尿道が細く湾曲しているため、尿路閉塞が起こりやすいです。
最も一般的な原因は結石ですが、その他にも膀胱炎、膀胱腫瘍、外傷、線維症、尿道栓子などが原因になります。
特に寒い時期は飲水量が減るため、尿路閉塞のリスクが高まります。

症状
• 頻尿
• 排尿姿勢を繰り返すが尿が少量しか出ない、または全く出ない
• 血尿
• 腹部の膨満感、強い痛み
尿路閉塞を解除せず蓄尿が進むと、急性腎不全や尿毒症に進行し、不整脈や心停止に至ることもあります。

治療
まずレントゲン検査・超音波検査や尿検査で閉塞の原因を特定し、血液検査で腎不全の有無を確認します。
その後、結晶などの閉塞物が原因で閉塞を起こしている場合、カテーテルを使って閉塞物を膀胱内に戻す「上行性尿路水圧推進法」を行います。
重度の急性腎不全を起こしている場合、カテーテルを設置して入院点滴を行うことが強く推奨されます。腎臓の数値の改善及び自力排尿が認められ次第退院ができます。
しかし、結石が原因の場合は再発する可能性が高い為、療法食を開始し、飲水量を増やすための生活環境改善(例: ウェットフードの採用、自動給水機の設置など)が推奨されます。
それでも繰り返し閉塞を起こす場合は手術が検討されます。

尿路閉塞は、定期的な検査と生活環境の見直しが予防に重要です。
猫ちゃんの飲水・排尿に気をつけて、病気を予防・早期発見できるよう日々注意していきましょう。
何か心配事や少しでも気になることがあれば、当院までお気軽にお尋ねください。

市ヶ谷動物医療センター 獣医師:大谷