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牛込柳町駅より徒歩約3分・新宿区市ヶ谷
【市ヶ谷動物医療センター】

ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

肛門嚢炎・肛門腺破裂について

こんにちは。 獣医師の佐々木です。
今回は肛門嚢炎・肛門嚢破裂についてお話させていただければと思います。
わんちゃん・ねこちゃんの肛門の両脇には肛門嚢という器官がありその内部に肛門腺という分泌器官があります。
肛門嚢は肛門を中心として時計の4時・8時方向に存在します。
普通は排便する際に肛門嚢が圧迫されて。肛門線から分泌腺が自然に排泄されます。
ところがこの肛門線の分泌液が生まれつき泥状で出にくかったり、下痢などの炎症反応が慢性的に存在することで肛門嚢に分泌液が貯留して炎症を引き起こし、やがて破裂することがあります。これを肛門嚢炎・肛門嚢破裂と呼びます。
肛門嚢破裂をすると痛みが原因で食欲が低下したり、そのまま放置していると破裂した部位が化膿して状態が低下したりします。

治療としては破裂した部分が化膿しないように洗浄と抗生剤治療を行い、破裂した部分に軟膏を塗って上皮化されるを待ちます。破裂した部分が大きい場合は鎮静下で欠損した部分を縫い合わせる処置をすることもあります。

予防としては肛門線を定期的にしっかりと絞って分泌液を出してあげることです。
また肛門腺破裂を繰り返す子は予防的に肛門腺を摘出する手術を実施したりすることもあります。
肛門腺が泥状で出にくい子は特になりやすいので、お家での手入れやしっかりと病院に通って絞ってあげましょう。
肛門腺破裂したワンちゃんの画像。
この後消毒処置や軟膏塗布、抗生剤内服で完治しました。
肛門嚢摘出したねこちゃんの画像。
この子は何回も肛門嚢破裂を繰り返すため、外科処置による肛門嚢摘出となりました。
この後経過良好でした。