ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

犬の原発性肺腫瘍に対する肺葉切除術
[症例]トイ・プードル 13歳 去勢雄
咳を主訴に来院されました。胸部レントゲン検査において左肺前葉前部に約2〜3cmの腫瘤を認め、CT検査では単発性の肺腫瘍であることを確認しました。肺門リンパ節の腫大や明らかな遠隔転移は認められず、外科切除が最も有効な治療法と判断しました。






手術は肋間アプローチにて実施し、腫瘍を含む左肺前葉を一塊で切除しました。術中・術後ともに呼吸状態は安定しており、胸腔ドレーンや鎮痛管理を行いながら慎重に術後管理を進めました。
術後は膵炎や食物アレルギーへの対応が必要となり、予定より入院期間は長くなりましたが、それぞれ適切な治療を行うことで全身状態は徐々に改善し、術後約10日で退院となりました。




病理組織検査では原発性肺腺癌と診断され、腫瘍は単発性で切除断端に腫瘍細胞を認めない完全切除が確認されました。
現在は術後1か月が経過していますが、呼吸状態や全身状態は良好で、再発を示唆する所見もなく順調に経過しています。今後も定期的な画像検査を行いながら、再発や転移の有無を慎重に経過観察していく予定です。
原発性肺腫瘍は早期発見・早期治療が重要です
犬の原発性肺腫瘍は比較的まれな腫瘍ですが、初期には症状がほとんど現れないことも少なくありません。一方で、今回の症例のように咳をきっかけに発見されることもあります。
転移がなく単発性で切除可能な段階で診断できた場合には、外科切除が第一選択となり、良好な予後が期待できる症例も多くあります。