[年中無休]
牛込柳町駅より徒歩約3分・新宿区市ヶ谷
【市ヶ谷動物医療センター】

ここでは特徴的な症例について、一部をご紹介いたします。
※手術の写真を掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください。
小滝橋動物病院グループ全体の外科症例件数については、>こちらをご参照ください。

猫の肥大型心筋症(HCM)

肥大型心筋症(HCM)は、心臓の筋肉(特に左心室の壁)が異常に厚くなる病気です。心臓の内腔に向かって筋肉が厚くなることで、心臓から十分な血液を送り出せなくなったり、心臓内の圧力が上がることがあります。


[概要]

  • 主に中高齢の猫で多く見られる心臓病です。
  • 遺伝的な要因が関係している場合があり、メインクーンやラグドールなど一部の品種で発症しやすい傾向があります。
  • 初期は無症状のことも多く、定期検診で偶然見つかることや重症化してから見つかることがあります。

[診断]

  • 聴診:雑音や不整脈が聞かれることありますが、雑音がなくとも肥大型心筋症は起こり得ます。
  • 心エコー検査:診断の中心。心室壁の厚みや心臓の動きを確認します。 [確定診断の検査]
  • X線検査:心臓の大きさや肺に水がたまっていないかを確認します。
  • 心電図検査:不整脈の有無を確認します。
  • 血圧検査:高血圧が原因で心筋肥大が生じている場合があります。
  • 血液検査:心臓以外の臓器の状態を確認し、心筋肥大を起こす疾患を確認します。
  • 最近では血液検査で心臓への負担を評価することができます。
    • NT-proBNP:心臓内圧が上昇すると数値も高くなります。
    • ANP:NT-proBNPと同様に心臓内圧が上昇すると数値も高くなります。
    • トロポニンI:心筋細胞がダメージを受けると数値が高くなります。
    • いずれも外注検査となるため日数を要しますが、採血のみでストレス少なく心臓病発見を期待できます。

[治療]

根本的に治す治療法はありませんが、症状を抑える薬でコントロールします。

  • 血栓予防薬:心臓(左心房)内に血がたまり血栓ができやすくなるため、抗血小板薬を使用する場合があります。
  • 利尿薬や血管拡張薬:心不全の症状がある場合に用います。水分を減らして心臓への負担を軽減します。
  • 心拍数を整える薬:心臓への負担を軽減するために使用することがあります。

[予後]

  • 無症状で経過する猫もいれば、急に呼吸困難血栓塞栓症(特に後ろ足の麻痺)を起こす場合もあります。
  • 早期発見と定期的な心エコー検査が、予後を左右します。
  • 適切な管理で数年間元気に過ごせることもありますが、重症化した場合は命に関わることがあります。

[飼い主様・ご家族様へのアドバイス]

  • 早期発見・早期治療が重要ですが、一般的な健康診断検査項目では発見が難しいです。
  • NT-proBNPなどの血液検査は、短時間でストレス少なく心臓病の発見が期待できます。
  • 呼吸が速くなる、ぐったりする、後ろ足を引きずるなどの症状が出た場合は、すぐにご相談ください。